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不倫相手に慰謝料請求したい人へ―手続きの流れ&ポイント

不倫相手への慰謝料請求は、焦らず順序立てて進めましょう。連絡の取り方・交わすべき書面……等といった注意点を丁寧にクリアしていくことで、関係復活を防ぎながら十分な解決金が得られます。
浮気相手を知った今「何をやるべきか分からない」と悩むなら、本記事が見通しの明確化に役立つはずです。

不倫慰謝料請求の全体の流れ

不倫慰謝料の請求は、基本的に当事者間の話し合いで進めます。請求開始から解決までの流れは、おおまかに以下の4ステップに分けられます。

  1. 不倫慰謝料の請求内容を検討する
  2. 請求開始の通知書を送付する
  3. 不倫相手と交渉する
  4. 示談書を取り交わす

請求のため最低限必要な情報

不倫相手への請求開始にあたっては、少なくとも「不倫の証拠」と「連絡先」の両方が不可欠です。情報の必要性等のポイントを押さえ、相手に悟られないよう入手しましょう。

浮気・不倫の証拠

不倫の証拠とは、基本的に「肉体関係があったことが分かる資料」を指します(例えば下記リストに記載のもの等が考えられます)。収集の際は、不貞行為と法的に認められた前例を踏まえ、なるべく2回以上の密会が証明できる資料を揃えるべきです。

  • メール・LINE
  • SNSやブログのスクリーンショット
  • クレジットカードの明細書
  • 交通系ICカードの利用履歴
  • カーナビやGPSの記録
  • 調査会社の報告書

不倫相手の氏名・住所

不倫慰謝料の請求では、相手の氏名と住所が不可欠です。 特に重要な「住所」については、電話番号旧住所等から特定できる場合があります。また、住所がどうしても分からないなどのやむを得ない場合には勤務先に通知をすることも検討せざるを得ない場合があります。

※勤務先に通知する場合には、手続き上の注意点があります。

最初から裁判で請求しても良い?

不倫慰謝料の請求は、まず示談(=裁判外の話し合い)で解決できないかを試みるのが一般的です。とはいえ、やり方は請求者の自由であり、始めから訴訟しても構いません。気を付けたいのは、いったん裁判手続を始めるとなると、解決まで数か月から年単位の時間を要する点です。

有力な証拠が揃っており、相手に資力があれば、話し合いで解決する見込みは十分あります。支払い額その他の解決満足度の面でも、訴訟した場合と同等かそれ以上になる場合もあります。

Step1.不倫慰謝料の請求内容を検討する

不倫の証拠と相手の身元情報が揃ったら、どのような請求を行うかを考えましょう。 慰謝料請求の第1段階になるこのプロセスは、Step2の通知書送付と前後しても問題ありません。トラブル解決の結果に直接影響があると考え、少なくとも以下の内容は検討します。

慰謝料の金額をいくらとするか

不倫慰謝料として支払われる額の目安は、事情に応じ50万円から300万円までとされています。個別のケースでは、被害者側で妥当な金額を計算し、相手の支払能力の他に確保できている証拠の状況も鑑みます。

支払条件以外の約束事をどうするか

相手と交わすべき約束は、不倫慰謝料の支払いに関する事項だけに留まりません。
配偶者の権利をこれ以上侵害されないよう、附帯条件として下記のような合意も必要です。

接触禁止条項

不倫相手の「これを機にきっぱり別れる」という発言は信用できません。交わす書面上でペナルティ付きの「接触禁止条項」とし、約束が守られるよう圧力をかけるべきです。
本条項では「電話・メール・手紙・面談等のどの手段でも接触してはならない」とのように、連絡手段を具体的にしておきましょう。

求償権の制限条項

不倫は「共同不法行為」にあたり、その責任は配偶者と浮気相手で連帯して負います(不真正連帯債務)。浮気相手だけに慰謝料を負担させると、配偶者の責任割合に応じて「求償権」が行使され、夫婦の財布から慰謝料の一部が支払元へ戻る可能性があるのです。
夫婦関係の修復を図るつもりなら、交わす書面上に制限条項を設けて権利放棄をしてもらうことも検討してよいかと思います。

守秘義務条項(秘密保持条項)

不倫による加害者の中には、話し合いの内容や示談の内容等を職場や親族に広めたりする人もあり得ます。このようなことが懸念される場合には不用意な行為を取らせないようにするため、守秘義務(秘密保持義務)を課すことも大切です。

Step2.請求開始の通知書を送付する

不倫慰謝料を請求する意思は、必要に応じて通知自体を証明できるよう、出来るだけ書面で伝えます。わざと返事を遅らせる等して、消滅時効が完成しているので支払う義務はないと主張されてしまう場合があり得るからです。
通知書の内容や送付先に関しては、次のポイントを押さえておくと良いでしょう。

内容証明郵便の必須記載事項

送付する内容証明郵便には、少なくとも下記事項を記載します。
一覧の通り、請求する慰謝料の金額まで明らかにする必要はありません。あくまでも請求の開始を知らせるものであり、細かい要求は後で伝えれば足りるからです。

  • 相手と配偶者が不貞行為に及んだこと
  • 上記行為により差出人が精神的苦痛を被ったこと
  • 上記いずれも不法行為にあたること
  • 上記不法行為につき、慰謝料の請求する意思があること
  • 請求に応じない場合、提訴等の法的措置をとること

勤務先に通知書を送っても大丈夫?

勤務先に通知書を送ることも許容されますが、どうしても住所特定できなかった等のやむを得ない事情がある場合のみです。また、自宅宛に差し出す場合と比べ、いっそうプライバシーに配慮しなければなりません。

むやみに職場に書面を差し出したり、トラブルの内容が第三者に知られるような形式にしたりすると、問題がますます複雑になるばかりです。判断に迷うなら、弁護士に相談する方がよいかと思います。

Step3.不倫相手と交渉する

ポイントを押さえて請求開始を通知すれば、不倫相手を交渉の場に引き出すのはそう難しくありません。問題は話し合いの進め方、つまり相手の主張や不誠実な態度にどう対処するかです。

不倫を否定するケースの対処法

慰謝料を支払おうとしない不倫相手の主張はさまざまです。何とか不法行為が成立しない要件を満たそうと、法的支援を受ける等して次のような言い訳をしてくるでしょう。

  • 肉体関係はない
  • 不貞行為の前から婚姻関係は破綻していた
  • 故意・過失はなかった(既婚者だと知らなかった等)

どの言い分も証拠さえあれば封じられますが、必ずしも反論に足るほど収集しきれているとは限りません。いずれにしても、やりとりを長引かせるくらいなら、最初の交渉段階から弁護士を通して交渉し、長引きそうであれば訴訟提起を行うというやり方もあります。

不倫慰謝料の支払条件を飲まない場合の対処法

実際のところ、不貞の事実そのものより、むしろ金額等の支払条件を巡って対立するケースがほとんどです。
分割払いに応じる等の多少の譲歩が必要になることもあり得ます。全面的に要求を通そうと無理をしても、解決が先送りになるばかりで、得にならないとも言えます。
そうは言っても、相手に譲りすぎて損することのないよう、状況を見極め強気の姿勢を崩さないことが大切です。

Step4.示談書を取り交わす

不倫慰謝料の支払いについて相手が合意した時は、合意内容を記載した「示談書」を必ず交わしましょう。内容と交わし方については、次のポイントに注意します。

示談書に記載する内容

示談書には、不貞行為の事実を簡潔かつ明確に記載し、これを相手が認めて反省の意志を示している条項を設けます。その上で附帯条件も載せ、各種合意事項に違反した時のペナルティを明記することなども検討します。双方署名捺印した時点で「最終的な解決を迎えた」とはっきりさせるため、清算条項を入れるケースも多く見られます。

公正証書の必須記載事項
支払条件 金額、支払期日、支払回数、振込先口座等
附帯条項 接触禁止条項、秘密保持条項、求償権行使の制限条項等
違反時のペナルティ 遅延損害金や違約金等
清算条項 本書面に示す内容以外の債権債務がないことを互いに確認

示談書を交わした後の流れ

示談書を交わした後は、その約束が履行されているか常に気を配る必要があります。示談書の約束に違反があったのなら、示談書に記載したペナルティを通知して対処すべきです。

仮に浮気相手と訴訟になったとしても、例として「示談書を交わした後も連絡をしていた事実」等の示談書の約束違反を立証できれば、原則として被害者側が有利となります。また、約束違反についての違約金を定めていた場合にはその定めは「賠償額の予定」(民法第420条)とされ、違約金の額にもよりますが、裁判所が通常課す支払条件より高い効力が認められる可能性があります。

裁判による不倫慰謝料請求の流れ

請求通知書を送っても不倫相手からの反応がない、あるいは話し合いだけで交渉がまとまりそうにないと言ったケースでは、以降説明する裁判手続で請求します。

訴状の作成・提出

不倫相手を訴える時に不可欠なのは、トラブルの概要を載せた訴状です。提出先となる訴訟管轄は、原則として不倫相手の居住地の地方裁判所となります。

訴状は形式面の審査があるため、事件名・請求の趣旨・請求の原因等といった項目を丁寧に作らなくてはなりません。手元にある不倫の証拠も、必要に応じて「甲第〇号証」とのように整理して添付します。

口頭弁論期日の対応

訴状が受理されると、1か月~1か月半後に第一回口頭弁論期日が定められます。
期日には当事者双方が出席し、それぞれの言い分を述べるのが基本ですが、代理弁護士がいれば代わりに対応できます。なお、第一回目の裁判期日では相手方は欠席するケースが多く、代わりに主張がまとめられた「答弁書」が提出されているのが一般的です。

裁判はさらに2か月ほど後に行われる第二回口頭弁論期日から本格化し、主張と証拠の整理が進められます。

和解または判決

不倫慰謝料の請求にかかる裁判では、主張や証言を直接聞く機会である尋問等の折に触れ、和解を勧められるのが一般的です。双方応じられるようなら、判決と同等の効力を持つ「和解調書」が交付されて収束します。

和解出来ないケースでは、1年程度かけて審理が進みます。下った判決に納得できないなら、控訴・上告により最高裁判所まで争えますが、通常は控訴審が実質的には最後の審理の場と言えます。

不倫慰謝料請求の流れを弁護士に委ねるメリット

不倫慰謝料の請求は一筋縄ではありません。当事者だけで解決しようとすれば、対立が深まって混乱した挙句、長引くばかりで落としどころが見えなくなるものです。

なるべく早い段階で弁護士が介入すれば、ケース別の対応により、良い結果が得られる可能性が高まります。

迅速&確実な解決が図れる

弁護士に依頼する最大のメリットは、素早く確実な解決の可能性を高められる点です。
代理人の存在があることは、相手に「交渉が決裂すれば裁判提起もあり得る」ことを知らせる効果もあります。また、示談でまとめる際に、交わす約束や交渉の進め方に関しても、将来的にトラブルがなるべく生じない方法を弁護士が個別に検討します。

不倫相手との接触を避けられる

不倫相手との交渉は被害者にとって辛いものです。相手の何気ない態度に傷つけられ、酷い場合は心当たりのないことで責められるでしょう。
受任契約があれば、電話や書面のやりとりから訴訟対応まで、相手方とのやり取りは弁護士に任せられます。そのため自身で直接相手方と交渉する心労が軽減されるといえます。

まとめ

不倫相手への慰謝料請求は書面で行うのが基本です。不貞行為の証拠と相手の身元情報まで揃えば、ひとまず請求開始の意志を伝えられる状態と言えます。
解決までの全体を通して失敗を避けたいのは、合意成立時の対応です。先立って考えたい次のような問題では、なるべく法律支援が欲しいところです。

  • 慰謝料の請求額はどうするか
  • 附帯条件として何を約束するか
  • 不倫相手の反論にどう対処するか
  • 示談書の内容に不備はないか

一番気がかりなのは、支払拒否や不当な減額交渉への対処方法ではないでしょうか。弁護士に任せれば、こうした点の対処への負担が減り、適切な賠償が得やすくなると考えられます。

不倫相手への対応は、自力でやることはかなりの負担となることが想定されます。そのため、弁護士に交渉段階から依頼することも検討してよいかと思います。

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