財産分与における自宅等の不動産の処分方法

 離婚にあたって考慮しなければならない問題の一つに財産分与をどうするかが挙げられます。特に自宅不動産が財産分与の対象となる場合、どのように分けるのか等をめぐって様々なことが問題になり得ます。

そこで、今回は自宅不動産が財産分与の対象となる場合にどういった方法がとりうるのかをご説明します。

なお、離婚時に夫または妻名義の不動産がある場合であっても、もともと結婚前から持っていた資金で購入したものや、相続財産として受け取った場合などには財産分与の対象となりません。このような財産分与の対象とならない財産は特有財産といいます。

1.不動産を売却して売却代金から経費を控除した残金を夫と妻で分け合う方法

結婚後、新たに購入した自宅不動産などの場合、離婚後にどちらか一方が居住し続けるには広すぎるなどの理由から、自宅を売却し、その売却代金を各自が財産分与として取り決めた割合で受け取るという方法が考えられます。

不動産について財産分与をする場合、頭金を夫と妻のどちらかが結婚前からの貯金で出している場合等は財産分与の割合の計算が複雑になりますが、頭金もその後の住宅ローンの支払い金も結婚後の収入から拠出しているような場合には、通常、財産分与は共有財産を夫と妻で半分ずつ分けることとなるため、不動産の売却後の清算金の分配も半分ずつとなります。

不動産を売却するにあたっては、一般的には不動産仲介会社と仲介契約を締結し、買い手を募ることが考えられます。

なお、不動産売却にかかる経費としては不動産仲介会社に支払う報酬(不動産の価格にもよりますが、売却価格のおおよそ3%程度)や、不動産譲渡税等の税金等が想定されます。なお、自宅不動産の売却の場合には、不動産譲渡税の算出において、譲渡益から一定額の特別控除がなされ、税負担が軽減される場合があります。

2.不動産の所有権を夫または妻の一方の単独所有とし、所有する側が清算金を払う方法

次に、離婚後も、夫か妻のどちらかが住み慣れた自宅で居住し続けることを希望するケースが考えられます。

このような場合、一般的には不動産を単独で所有することとなる人が相手方に不動産の時価額のうち、財産分与をしたと想定した相手方の持ち分に応じた金額を清算金として支払うという方法が考えられます。

具体例としては、不動産の査定額が1000万円と査定された場合に、夫が単独で所有する代わりに、妻に500万円(2分の1の持ち分相当額)を支払うとする方法です。

なお、不動産の査定額が1000万円であっても、住宅ローンがまだ500万円残っているような場合には不動産の実際の価値(余剰価値)は、その差額の500万円であるため、夫が単独で所有する代わりに妻に支払う清算金の額は250万円となります。

このような方法を取る場合によく問題となるのは、住宅ローンを夫と妻の両方の名義で組んでおり、まだ金融機関への返済中である場合です。

不動産の名義を夫の単独所有に変更するにあたっては、妻としては自分名義の住宅ローンが残ったままでは不安なため、清算金をもらうこと以外にも住宅ローンの支払いを免れるべく、自分名義の住宅ローンも夫名義に変更してもらいたいと考えるのが一般的です。

しかし、住宅ローンの借主の名義を変更するには貸主である金融機関の同意を得なければなりません。

そのため、金融機関と交渉し、住宅ローンの名義変更について同意を取り付ける必要があります。また、住宅ローンが残っている場合で、不動産が夫と妻の共有名義のときは持ち分を金融機関の同意なく勝手に譲渡することも住宅ローン契約で定めた契約条項違反とされる場合が多いため、不動産の持ち分の変更をするにあたっては金融機関に事前に確認を取ることが必要となります。

3.不動産名義は相手方のまままたは共有のままとし、住宅の使用契約を結ぶ方法

夫または妻が、離婚後も自宅に住み続けたいものの、上記2のような清算金を相手方に支払うだけの経済的余力がない場合等には、住宅を例えば一定期間、無料(または有料)で使用できるなどとする使用契約を相手方と締結することも考えられます。

こうした使用契約は口約束でも有効ではあるものの、口約束の場合は後からそのような約束はしていないと言われたりする恐れがあるため、やはり契約書として、きちんと取り決めた内容を書面で残すことが重要です。

但し、契約書等で利用契約を明確に定めた場合であっても、無料で自宅を利用できる契約は民法上の「使用貸借」契約に該当し、貸主が他人に所有権を譲渡してしまった場合には新所有者には借主としての権利を主張できないなど、借主としての地位が不安定となることに注意が必要です。

この点、利用契約の内容を、一定の賃料を毎月支払う契約(賃貸借契約)としておけば、貸主が他人に所有権を譲渡した後も、借主としての権利を新所有者に主張できるため、賃貸借契約とする方がよい場合もあり得ます。

4.まとめ

以上のように、自宅不動産を財産分与する場合には、財産分与の方法をどうするかといった問題のほか、住宅ローンがある場合は金融機関の意向も重要となってきます。

また、不動産を売却し売却後の清算金を半分ずつ分ける方法や、清算金を相手に渡し不動産を単独所有とする方法を取る場合であっても、まずは不動産会社に適切な時価額を査定してもらう必要があると言えます。

なお、当事務所の弁護士に財産分与の依頼をいただいた場合には、弁護士から不動産会社に不動産の簡易査定を依頼するため不動産の簡易査定も含めて対応可能です。

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